受けないほうがよい状態(原則禁忌)
以下の状態では、原則として施術を避けるか、事前に医療機関への確認が必要です。
① 刺鍼部位に感染・強い炎症がある
化膿・傷・ひどい皮膚炎などがある部位への刺鍼は行いません。炎症が落ち着くまで施術を延期するのが基本です。
② 発熱・強い体調不良がある
発熱、強いだるさ、めまい、体調不良がある場合は、施術よりも原因の確認を優先しましょう。
無理に受けず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
美容鍼パルス(電気刺激)の禁忌
鍼に電気を流す「美容鍼パルス」は、通常の刺鍼とは扱いが異なります。以下は明確な禁忌です。
ペースメーカー・植込み型医療機器がある
ペースメーカーやICD(植込み型除細動器)などの体内電気機器がある場合、鍼通電は行いません。
必ず事前に申告すべきこと
禁忌とまでは言えなくても、施術者に必ず伝えるべき事項があります。
① 重度の出血傾向がある
血友病など出血しやすい病気がある場合は、内出血や血腫のリスクに配慮が必要です。
自己判断で受けず、事前に主治医または施術者へ確認しましょう。
② 血液疾患・がん治療中
がん治療中、血液疾患がある、白血球や血小板の数に異常があると言われている場合は、自己判断せず、事前に主治医へ確認しましょう。
特に、治療中は感染や出血への配慮が必要になることがあります。
③ 金属アレルギーがある
鍼は金属製です。金属アレルギーがある人、とくにニッケル・クロム・ステンレス製品でかぶれた経験がある人は、事前に申告しましょう。
とくにステンレス製品でかぶれた経験がある場合は、施術できない可能性があります。
④ 抗凝固薬・抗血小板薬の服用
ワルファリン・DOAC・アスピリンなどを服用中の場合、内出血のリスクが高くなります。適切な手技で重大な出血はまれとされていますが、自己申告なしでの施術は望ましくありません。※自己判断で服薬を中断するのはNGです。
⑤ 免疫抑制状態
免疫抑制薬の使用中や白血球が低い状態では、感染リスクの観点から慎重な判断が必要です。
⑥ 妊娠中・妊娠の可能性
一般的に強いリスクが確立しているわけではありませんが、妊娠中は必ず申告が必要です。
まとめ
原則として施術を避ける状態
- 刺鍼部位の感染・強い炎症
- 発熱・強い体調不良
美容鍼パルスで禁忌となる状態
- ペースメーカー・植込み型医療機器がある
必ず事前に申告が必要な状態
- 重度の出血傾向(血友病など)
- 血液疾患・がん治療中
- 金属アレルギー
- 抗凝固薬・抗血小板薬の服用
- 免疫抑制状態
- 妊娠中・妊娠の可能性
疑問点は施術前に必ず確認し、納得してから受けることをおすすめします。
参考文献
-
公益社団法人 全日本鍼灸学会 臨床情報部 安全性委員会. 鍼灸安全対策ガイドライン 2025年版(改訂第2版). 2025.
→ 鍼灸の禁忌・安全管理基準に関する国内ガイドラインの根拠。 -
NHS. Acupuncture.
→ 英国国民保健サービスにおける鍼の適応・禁忌に関する根拠。 -
Guy's and St Thomas' NHS Foundation Trust. Acupuncture.
→ 英国NHS系病院における鍼の安全情報の根拠。 -
McCulloch M, et al. Acupuncture Safety in Patients Receiving Anticoagulants. Perm J. 2015.
→ 抗凝固薬服用患者への鍼施術の安全性に関する根拠。 -
Kwon S, et al. Safety of Acupuncture in Patients Taking Newer Oral Anticoagulants. Evid Based Complement Alternat Med. 2018.
→ 新規経口抗凝固薬(DOAC)服用患者への鍼施術の安全性に関する根拠。 -
Carr DJ. The safety of obstetric acupuncture: forbidden points revisited. Acupunct Med. 2015.
→ 妊娠中の鍼施術における安全性・禁忌穴に関する根拠。




