スキンケア成分には「届きにくい壁」がある
肌の表面には角質バリアと呼ばれる層があります。外からの刺激や異物が体内に入るのを防ぐ大切な機能です。
同時に、これがスキンケア成分の「届きにくさ」の原因でもあります。特に分子量の大きな成分(幹細胞培養上清液に含まれる成長因子など)は、この壁を通りにくいとされています。
ダーマペンの研究でわかってきたこと
ダーマペン(マイクロニードリング)は、微細な針を高密度で皮膚に刺す施術です。
いくつかの研究で、幹細胞培養上清液と組み合わせると、色素・シワ・毛穴・弾力などの面で単独施術より大きな変化が報告されています。
理由として考えられているのは、刺入直後に角質バリアが一時的に変化し、塗った成分が通常より届きやすい状態になり得るというものです。
美容鍼に同じことが言えるのか
美容鍼も針を刺すため、物理的に穴ができます。発想としては同じです。
ただし、穴の数・密度・面積がダーマペンとは大きく異なります。
- ダーマペン:顔全体に数百〜千単位の微細な穴を高密度で作る
- 美容鍼:表情筋や真皮層への刺激が目的で、穴の数・密度はダーマペンより少ない
また、美容鍼と培養上清液を組み合わせた研究は現時点では見当たりません。「ダーマペンと同じ浸透効果がある」と言える根拠はないのが現状です。
幹細胞培養上清液・エクソソームを使う施術の注意点
幹細胞培養上清液やエクソソームを用いた施術については、厚生労働省から注意喚起が出ています。
安全性・品質管理・費用について、施術前に説明内容をよく確認することが推奨されています。
まとめ
- 角質バリアがあるため、スキンケア成分は皮膚の奥まで届きにくい
- ダーマペンは浸透を高める可能性の報告があるが、美容鍼での同様の研究はない
- 穴の数・密度が大きく違うため、同等の効果があるとは現時点では言えない
参考文献
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Lee HJ, Lee EG, Kang S, et al. Efficacy of Microneedling Plus Human Stem Cell Conditioned Medium for Skin Rejuvenation: A Randomized, Controlled, Blinded Split-Face Study. Ann Dermatol. 2014;26(5):584-591. doi:10.5021/ad.2014.26.5.584
→ マイクロニードリングと幹細胞培養上清液の併用効果を検討した研究。 -
Liang X, Li Y, Yan C, et al. Efficacy of Microneedling Combined With Local Application of Human Umbilical Cord-Derived Mesenchymal Stem Cells Conditioned Media in Skin Brightness and Rejuvenation: A Randomized Controlled Split-Face Study. Front Med (Lausanne). 2022;9:837332. doi:10.3389/fmed.2022.837332
→ マイクロニードリングと臍帯由来幹細胞培養上清の組み合わせ研究。 -
Gupta J, Gill HS, Andrews SN, Prausnitz MR. Kinetics of skin resealing after insertion of microneedles in human subjects. J Control Release. 2011;154(2):148-155. doi:10.1016/j.jconrel.2011.05.021
→ マイクロニードル刺入後の皮膚バリア回復速度に関する研究。 -
厚生労働省医政局研究開発政策課. 幹細胞培養上清液及びエクソソーム等を用いる医療について(周知). 事務連絡 令和6年7月31日.








