実際の本数の目安
美容鍼の本数は、数本〜100本前後とかなり幅があります。顔だけの部分的な施術なら少なめ、顔全体+首・肩・頭まで含めると多くなります。
参考までに、顔の弾力を調べたある研究では、顔・頭・首の筋肉に1回あたり約100〜110本を刺す方法が使われていました(40〜59歳の女性が対象、3週間で5回)。「100本」と聞くと驚くかもしれませんが、顔全体を広く扱う設計ではこの程度の本数になることもあります。
ただし、これは「この本数が最適」と証明されたものではなく、あくまで一つの研究例です。
本数が多くなりやすい/少なくなりやすい悩み
本数は「点」で足りるか「面」で必要かによって変わります。
多くなりやすい
- シワ・肌のハリ・キメ・弾力など、顔の広い範囲への刺激を前提とする悩み
- 「点」ではなく「面」への刺激が必要なため、広い範囲をカバーすると本数が増える
少なくなりやすい
- むくみや、咬筋・前頭筋・目のまわりのこわばりなど、特定の部位への局所的な刺激で済む悩み
- 範囲が限られる分、広範囲に刺す必要がない
「本数が多い=効果が高い」ではない
ここが一番の誤解ポイントです。
慢性痛の分野では、17,922人分の鍼治療データを統合した分析があります。そこでは、きちんとした比較(見せかけの鍼との比較)をすると、鍼の本数や置き方によって効果が大きく変わるとは言えないという結果が示されています。「本数を増やすほど効く」という単純な関係は、少なくとも強い形では確認されていません。
これは美容鍼そのものの研究ではありませんが、「本数の多さ=施術の質」ではない、という考え方の裏づけになります。本数を売り文句にするサロンもありますが、多ければよいわけでも、少なければ弱いわけでもありません。
むしろ本数が増えると気をつけたいこと
本数が多いほど、鍼を刺す箇所も増えます。つまり、その分だけ内出血が起こりうる箇所も増えることになります。
内出血自体は数日〜2週間ほどで自然に引く軽い反応ですが、大事な予定の前などは本数や時期を施術者と相談しておくと安心です。 (→ 痛い?内出血は?美容鍼のリスクと回避のコツ)
本当に大事なのは「刺激量の設計」
本数の多さで施術の良し悪しは決まりません。実際の効果を左右するのは、本数だけでなく、
- どの悩みに対して
- どの範囲へ
- どの深さで
- どのくらいの時間・手技で
刺すか、という刺激量全体の設計です。電気を流す美容鍼パルスを組み合わせる場合は、少ない本数でもアプローチが変わります。
「何本刺すか」より「何のためにどう刺すか」を説明してくれる施術者を選ぶのが、満足度につながります。
まとめ
- 美容鍼の本数は数本〜100本前後と幅がある(研究例では1回100〜110本のものも)
- シワ・ハリなど広範囲の悩みは多く、むくみ・こわばりなど局所の悩みは少なくなりやすい
- 「本数が多い=効果が高い」とは言えない。適切な比較では本数で効果が大きく変わるとは示されていない
- 本数が増えると内出血が起こりうる箇所も増える点は理解しておく
- 大事なのは本数より「どこに何のために、どう刺すか」という刺激量の設計
参考文献
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MacPherson H, Maschino AC, Lewith G, et al. Characteristics of Acupuncture Treatment Associated with Outcome: An Individual Patient Meta-Analysis of 17,922 Patients with Chronic Pain in Randomised Controlled Trials. PLoS One. 2013;8(10):e77438. doi:10.1371/journal.pone.0077438. → 慢性痛17,922人のデータを統合した分析。偽鍼との比較では、鍼の本数や置き方で効果が大きく変わるとは言えないと報告。
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Yun Y, Kim S, Kim M, et al. Effect of Facial Cosmetic Acupuncture on Facial Elasticity: An Open-Label, Single-Arm Pilot Study. Evid Based Complement Alternat Med. 2013;2013:424313. doi:10.1155/2013/424313. → 顔の弾力を調べた小規模パイロット研究。1回あたり約100〜110本を顔・頭・首に刺す方法を用いた。








